3 Minutes NetWorking
No.7

3MinutesNetWorking

第7回LANの機器

■ LANで使われるもの

インター博士

最近は自宅でLANを構築してる人も多いな。

ネット助手

そうっすね。
ADSLでブロードバンドルータなんて置いちゃって、2〜3台でやってますね。

インター博士

ほぅ。そういうことを知っているなら話が早い。
ネット君。ブロードバンドルータとはなんだ?

ネット助手

なんだっていわれても。ADSLで、何台かのパソコンでインターネットをする時に使うもので。
えっとぉ…。

インター博士

やれやれ。
そうだと思ったよ。

ネット助手

はぅ。ごめんなさい。

インター博士

まあ、いいだろう。
今回はそのようにLANで使われる機器を説明する。ただし、大雑把に

ネット助手

大雑把なんですか?

インター博士

大雑把だ。細かくは、これから先にやっていくのでな。
ではネット君、LANを構築したいと思ったら、何が必要だ?

ネット助手

まずパソコンですよね。
それに、パソコンを繋ぐケーブル。

インター博士

うむ。パソコンやプリンタなどホストが必要だな。ケーブルはネットワーキングメディアと呼ぶ。
で、他には。

ネット助手

他にはって、他には?

インター博士

ホストや、ネットワーキングメディア以外には?と聞いている。

ネット助手

え〜…。

インター博士

…。

ネット助手

う〜…。

インター博士

なんとも予想通りの展開だな。
ここらでギャグの一発でもかませば、見所のある奴と思ったんだが。

ネット助手

すいません。

インター博士

あやまることはない。
戯言だ、気にするな。

ネット助手

はぁ。

インター博士

まず、パソコンなどはもともとケーブルと繋がるようにはできていない。なのでケーブルとパソコンを繋げる機械が必要だ。
これをNICという。▼ link

ネット助手

えぬあいしー?

インター博士

通常はニックと読む。パソコンのマザーボードのPCIスロットに差し込むLANボードのことだ。
ノートパソコンだとPCMCIAカードになる。▼ link

ネット助手

うちのパソコンそんなのついてたっけな?

インター博士

最近はネットワークに接続するのが当たり前なので、組み込まれているのもある。
忘れがちだが、わりと重要なポジションにあるので忘れないよう。

ネット助手

なるほど。
パソコンとケーブルとNIC。これでオッケ〜ですか?

インター博士

1対1の通信ならな。
こっちのパソコンと向こうのパソコンをケーブルで繋いで、はい、お終い。これならば今の3つだけでよい。

ネット助手

それはなんか寂しいですね。

インター博士

そうか?なかなか楽しいと思うぞ。1対1でもLANはLANだしな。

ネット助手

確かにLANと言えばLANですけど。

■ ネットワーキング・デバイス

インター博士

だが寂しいというネット君の意見も取り入れた場合、複数のパソコンからのデータがLANに流れることになる。通信を制御する機器が必要だ。

ネット助手

なるほど。
ケーブルが道路、データが自動車だとすれば、信号みたいなものですか?

インター博士

ほう。なかなか洒落た例えをするじゃないか、ネット君。
どうした、寝てるのか

ネット助手

なに言ってんですか。起きてますよ。

インター博士

そうか、起きているのにまともな事を言うとは成長したな。担当教官としてこんなに嬉しいことは無いぞ。
うむ。信号という例えはなかなか当たってるといえば当たっているな。

ネット助手

…。
といいますと?

インター博士

信号の役割も行うし、それだけでなくインターチェンジ(ジャンクション)や、案内看板の役割も行う。
つまりデータの流れを制御する、という役割をになう機器たちだ。

ネット助手

機器「たち」?
ってことはいくつかあるんですか?

■ レイヤ別 ネットワーキング・デバイス

インター博士

うむ。役割ごとに大きくわけて3種類ある
それぞれ、レイヤ1・2・3の各レイヤに従った役割をもつ

ネット助手

レイヤ1・2・3というと。「物理層」「データリンク層」「ネットワーク層」ですね?

インター博士

ほう。まだ揮発してなかったか

ネット助手

ええ。誰かが死んでも覚えろというので、死んで覚えたみたいです。

インター博士

何を言ってるんだ、ネット君。死んだら覚えられないぞ。実験で証明済みだ
それはともかくとして、まずレイヤ1の制御機器だ。

ネット助手

レイヤ1・物理層というと、電気・機械的な規則の層ですよね。

インター博士

そうだ。そこで制御を行う機器は、リピータハブだ。▼ link
これらはケーブルを流れる電気信号を、増幅したり分配したりする

ネット助手

増幅や分配…。

インター博士

詳細は先でやる。レイヤ2では、ブリッジスイッチの2つだ。▼ link
スイッチはスイッチング・ハブと呼ばれることが多い、見た目もハブとそっくりの機器だが、機能的には断然上だ。

ネット助手

レイヤ2はデータリンク層ですよね。近くの機器とのデータの伝送制御を行う、と前の説明にありましたが。

インター博士

うむ。ブリッジ、スイッチは簡単に言うと信号だな。
とあるルールにのっとって、データを通す・通さないという制御を行う。

ネット助手

どんなルールですか?

インター博士

一気にやると絶対混乱するので、レイヤ2の説明の際に話す。
最後はレイヤ3・ネットワーク層の機器だ。ここでは宛先までのルートを決定するという機器が登場する。

ネット助手

ルートを決定…。カーナビみたいですね。

インター博士

なかなか微妙な例えだな。
この機器をルータという。▼ link

ネット助手

ルータって、ブロードバンド「ルータ」のルータですか?

インター博士

そうだ。ブロードバンドルータというのは、このルータのことを指している。
ADSLなどブロードバンド回線で使われるのでその名がついている。

ネット助手

は〜。

インター博士

これら制御機器のことをネットワーキングデバイスという。
機能はこれから先おいおい説明していくので、名前とレイヤは覚えておくように。

ネット助手

え〜っと、5種類、3つのレイヤ…。

インター博士

ところでネット君。

ネット助手

はい?

インター博士

ネットワーク・モデルは何故階層分けされているか覚えているか?

ネット助手

通信の問題やらルールやらを、簡単に考えるためでしたよね。

インター博士

うむうむ。通信のルールや問題を、機能や役割でわけて考えやすくしているのだったな。
よって、これから先はレイヤごとに説明していく

ネット助手

なるほど。合理的ですね。

インター博士

なので次回はレイヤ1の説明をする。

ネット助手

了解。
3分間ネットワーキングでした〜♪

ネットワーキングメディア
[networking media]
伝送媒体。主にLANケーブルを指す。
単にメディアとも呼ぶ。
NIC
[Network Interface Card]
LANカード、LANボードの名前で販売されている。
写真を載せようかと思ったけど、見当たらないので参考リンクのYahoo!の製品情報を見てください。
PCIスロット
[Peripheral Component Interconnect slot]
コンピュータの標準拡張スロット。簡単に言うと拡張機能のボードを差し込む差込口。
PCMCIA
[Personal Computer Memory Card International Association]
カード型の拡張装置の標準化団体のこと。この規格でつくられたカードを、PCMCIAカード、もしくはPCカードと呼ぶ。
リピータ
[Repeater]
ハブ
[hub]
車輪の中心。中枢・中心の意味を持つ。
ハブ空港のハブと同じ意味。
ブリッジ
[bridge]
スイッチ
[switch]
イーサネット・スイッチ[ethernet switch]や、レイヤ2の役割のスイッチなのでレイヤ2スイッチ[layer 2 switch]などとも呼ばれる。
参考リンクのYahoo!製品情報のページはハブと同じですが、製品の説明にスイッチング・ハブと書かれているものはスイッチです。
ルータ
[router]
ネットワーキングデバイス
[networking device]
ネット助手ネット君の今日のポイント
  • LANで使用する機器は、ホスト、NIC、ケーブル(ネットワーキングメディア)、ネットワーキングデバイスがある。
  • ネットワーキングデバイスは、データの流れを制御する。
    • レイヤ1:リピータとハブ
    • レイヤ2:ブリッジとスイッチ
    • レイヤ3:ルータ

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管理人:aji-ssz(at)selene.is.dream.jp