■ LANで使われるもの
最近は自宅でLANを構築してる人も多いな。
そうっすね。
ADSLでブロードバンドルータなんて置いちゃって、2~3台でやってますね。
ほぅ。そういうことを知っているなら話が早い。
ネット君。ブロードバンドルータとはなんだ?
なんだっていわれても。ADSLで、何台かのパソコンでインターネットをする時に使うもので。
えっとぉ…。
やれやれ。
そうだと思ったよ。
はぅ。ごめんなさい。
まあ、いいだろう。
今回はそのようにLANで使われる機器を説明する。ただし、大雑把に。
大雑把なんですか?
大雑把だ。細かくは、これから先にやっていくのでな。
ではネット君、LANを構築したいと思ったら、何が必要だ?
まずパソコンですよね。
それに、パソコンを繋ぐケーブル。
うむ。パソコンやプリンタなどホストが必要だな。ケーブルはネットワーキングメディアと呼ぶ。
で、他には。
他にはって、他には?
ホストや、ネットワーキングメディア以外には?と聞いている。
え~…。
…。
う~…。
なんとも予想通りの展開だな。
ここらでギャグの一発でもかませば、見所のある奴と思ったんだが。
すいません。
あやまることはない。
戯言だ、気にするな。
はぁ。
まず、パソコンなどはもともとケーブルと繋がるようにはできていない。なのでケーブルとパソコンを繋げる機械が必要だ。
これをNICという。▼ link
えぬあいしー?
通常はニックと読む。パソコンのマザーボードのPCIスロットに差し込むLANボードのことだ。
ノートパソコンだとPCMCIAカードになる。▼ link
うちのパソコンそんなのついてたっけな?
最近はネットワークに接続するのが当たり前なので、組み込まれているのもある。
忘れがちだが、わりと重要なポジションにあるので忘れないよう。
なるほど。
パソコンとケーブルとNIC。これでオッケ~ですか?
1対1の通信ならな。
こっちのパソコンと向こうのパソコンをケーブルで繋いで、はい、お終い。これならば今の3つだけでよい。
それはなんか寂しいですね。
そうか?なかなか楽しいと思うぞ。1対1でもLANはLANだしな。
確かにLANと言えばLANですけど。
■ ネットワーキング・デバイス
だが寂しいというネット君の意見も取り入れた場合、複数のパソコンからのデータがLANに流れることになる。通信を制御する機器が必要だ。
なるほど。
ケーブルが道路、データが自動車だとすれば、信号みたいなものですか?
ほう。なかなか洒落た例えをするじゃないか、ネット君。
どうした、寝てるのか?
なに言ってんですか。起きてますよ。
そうか、起きているのにまともな事を言うとは成長したな。担当教官としてこんなに嬉しいことは無いぞ。
うむ。信号という例えはなかなか当たってるといえば当たっているな。
…。
といいますと?
信号の役割も行うし、それだけでなくインターチェンジ(ジャンクション)や、案内看板の役割も行う。
つまりデータの流れを制御する、という役割をになう機器たちだ。
機器「たち」?
ってことはいくつかあるんですか?
■ レイヤ別 ネットワーキング・デバイス
うむ。役割ごとに大きくわけて3種類ある。
それぞれ、レイヤ1・2・3の各レイヤに従った役割をもつ。
レイヤ1・2・3というと。「物理層」「データリンク層」「ネットワーク層」ですね?
ほう。まだ揮発してなかったか。
ええ。誰かが死んでも覚えろというので、死んで覚えたみたいです。
何を言ってるんだ、ネット君。死んだら覚えられないぞ。実験で証明済みだ。
それはともかくとして、まずレイヤ1の制御機器だ。
レイヤ1・物理層というと、電気・機械的な規則の層ですよね。
そうだ。そこで制御を行う機器は、リピータとハブだ。▼ link
これらはケーブルを流れる電気信号を、増幅したり分配したりする。
増幅や分配…。
詳細は先でやる。レイヤ2では、ブリッジとスイッチの2つだ。▼ link
スイッチはスイッチング・ハブと呼ばれることが多い、見た目もハブとそっくりの機器だが、機能的には断然上だ。
レイヤ2はデータリンク層ですよね。近くの機器とのデータの伝送制御を行う、と前の説明にありましたが。
うむ。ブリッジ、スイッチは簡単に言うと信号だな。
とあるルールにのっとって、データを通す・通さないという制御を行う。
どんなルールですか?
一気にやると絶対混乱するので、レイヤ2の説明の際に話す。
最後はレイヤ3・ネットワーク層の機器だ。ここでは宛先までのルートを決定するという機器が登場する。
ルートを決定…。カーナビみたいですね。
なかなか微妙な例えだな。
この機器をルータという。▼ link
ルータって、ブロードバンド「ルータ」のルータですか?
そうだ。ブロードバンドルータというのは、このルータのことを指している。
ADSLなどブロードバンド回線で使われるのでその名がついている。
は~。
これら制御機器のことをネットワーキングデバイスという。
機能はこれから先おいおい説明していくので、名前とレイヤは覚えておくように。
え~っと、5種類、3つのレイヤ…。
ところでネット君。
はい?
ネットワーク・モデルは何故階層分けされているか覚えているか?
通信の問題やらルールやらを、簡単に考えるためでしたよね。
うむうむ。通信のルールや問題を、機能や役割でわけて考えやすくしているのだったな。
よって、これから先はレイヤごとに説明していく。
なるほど。合理的ですね。
なので次回はレイヤ1の説明をする。
了解。
3分間ネットワーキングでした~♪
- ネットワーキングメディア
-
[networking media]
伝送媒体。主にLANケーブルを指す。
単にメディアとも呼ぶ。
- NIC
-
[Network Interface Card]
LANカード、LANボードの名前で販売されている。
写真を載せようかと思ったけど、見当たらないので参考リンクのYahoo!の製品情報を見てください。
- PCIスロット
-
[Peripheral Component Interconnect slot]
コンピュータの標準拡張スロット。簡単に言うと拡張機能のボードを差し込む差込口。
- PCMCIA
-
[Personal Computer Memory Card International Association]
カード型の拡張装置の標準化団体のこと。この規格でつくられたカードを、PCMCIAカード、もしくはPCカードと呼ぶ。
- リピータ
- [Repeater]
- ハブ
-
[hub]
車輪の中心。中枢・中心の意味を持つ。
ハブ空港のハブと同じ意味。
- ブリッジ
- [bridge]
- スイッチ
-
[switch]
イーサネット・スイッチ[ethernet switch]や、レイヤ2の役割のスイッチなのでレイヤ2スイッチ[layer 2 switch]などとも呼ばれる。
参考リンクのYahoo!製品情報のページはハブと同じですが、製品の説明にスイッチング・ハブと書かれているものはスイッチです。
- ルータ
- [router]
- ネットワーキングデバイス
-
[networking device]
ネット君の今日のポイント
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- LANで使用する機器は、ホスト、NIC、ケーブル(ネットワーキングメディア)、ネットワーキングデバイスがある。
- ネットワーキングデバイスは、データの流れを制御する。
- レイヤ1:リピータとハブ
- レイヤ2:ブリッジとスイッチ
- レイヤ3:ルータ
- 参考リンク
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- Yahoo! 製品情報 NIChttp://computers.yahoo.co.jp/computers/hardware/networking/lan_cards/▲
- Yahoo! 製品情報 PCMCIAhttp://computers.yahoo.co.jp/computers/hardware/networking/lan_cards/▲
- Yahoo! 製品情報 ハブhttp://computers.yahoo.co.jp/computers/hardware/networking/hubs/1050003/▲
- Yahoo! 製品情報 スイッチhttp://computers.yahoo.co.jp/computers/hardware/networking/hubs/1050003/▲
- Yahoo! 製品情報 ルータhttp://computers.yahoo.co.jp/computers/hardware/networking/routers/1051004/▲