3 Minutes NetWorking
No.6

3MinutesNetWorking

第6回OSI参照モデルとカプセル化

■ OSI参照モデルでのデータの流れ

インター博士

さてさて、3回続けてOSI参照モデルの話だ。

ネット助手

続きますね。

インター博士

うむ、それだけ重要なのだよ。
今回は、データの流れを追ってみよう。そうだな、宅配便を例にとって話してみようか。

ネット助手

今回は手紙じゃないんですね。

インター博士

宅配便の方がわかりやすいのでな。
ネット君、宅配便とはどんなものだね?

ネット助手

どんなものって。
あれでしょ、送りたいものをダンボールに詰めて、コンビニかどっかで送ると相手につくっていう。クロネコ○マトとか、佐○急便がやってる。

インター博士

そうだ。送信元から宛先へ運ぶ。
通信では、運びたいものをデータ、それを入れたダンボール全体をデータユニットと呼ぶ。

ネット助手

データと、データユニットですか。

インター博士

宅配便を送るときの手順を言ってみたまえ、ネット君。
前のように細かくだ。

ネット助手

え〜っと、まず送りたいものを用意する。
それをダンボールに入れる。

インター博士

送りたいものが、グラスのような割れやすいものだったらどうする?

ネット助手

新聞紙でくるみます。あとはプチプチを入れたり。

インター博士

プチプチ…。まぁわかりやすくていいが。
プチプチもしくは新聞紙でくるんで、ダンボールに入れて、次は?

ネット助手

規定の配達表に、宛先と送り主を書いて。
コンビニに渡して。そうすると、宅配便の運ちゃんが集荷に来て、配送所に運んで。

インター博士

集荷に来た時点で、運ちゃんが配送表というものをつける。誰が受け取って、何処行きで、とそんな感じの事を。
まぁ、ともかくそこまででいい。上出来だ。

ネット助手

えへへ。

インター博士

要約すると、以下の図のようになるな。
右下の再生ボタンを押してみてくれ。

[Figure06-01:宅急便の梱包]

インター博士

受け取った側は逆の順番を行うわけだ。
「配送表をはがす」「宛先をはがす」「ダンボールから出す」「緩衝材をとる」で、中身が手に入る、と。

ネット助手

なるほど、確かにそうなりますね。

インター博士

さて、ここでまた質問だ。
何故こんな面倒くさいことをするんだ? そのまま送ってしまえばいいだろう?

ネット助手

え、だって。緩衝材やダンボールで保護しないと壊れちゃうかもしれないし。
宛先を貼らないと、どこへ届けていいかわからないし。

インター博士

そうだ!! いいぞ、ネット君。
つまり運ぶためには、いろいろ運びたいもの(データ)以外のものも必要なのだ。

ネット助手

は〜。なるほど。
じゃあ、実際にはデータ以外のものって、どんなものですか?

インター博士

宛先、送信元のアドレス。
あとは通信制御用のデータだな。

ネット助手

アドレスって?

インター博士

まぁ、つまりネットワーク上でのホスト住所だな。TCP/IP、つまりインターネットではIPアドレスが使われる。
これらのデータ以外のものもまとめて一緒に送るのだ。

ネット助手

ふ〜ん。
それらデータと、それ以外で必要なものをまとめたすべてをデータユニットというわけですね。

インター博士

うむ。今日は冴えてるな、ネット君。
まるで助手みたいだな。

ネット助手

…、助手です。

インター博士

そうだったのか。
てっきりNHKの教育番組にでてくるマヌケな人形だと思ってたぞ。

ネット助手

なんですかそのわかるようでわからない微妙な表現は?
ということは、博士がお姉さん役ですか。

インター博士

ひやひやどきっちょな、も〜ぐたん!

ネット助手

…。

インター博士

すまん…。

ネット助手

…。

インター博士

ホントすまん…。

ネット助手

…わかってくれればいいんですよ。
話の続きをしてください。

■ カプセル化

インター博士

そうだな。
送りたいもの(データ)に色々送るためのものをつけて、実際に送るというのはわかってもらったと思う。

ネット助手

はい。

インター博士

OSI参照モデルでは、上の層から順番に制御データをつけていく
そして、最下層のレイヤ1までいくと電気信号化されて、相手に送られる 。図式化した方がわかりやすい。これを見てくれ。

[Figure06-02:制御データの付加]

ネット助手

ははぁ。
このセグメント、パケット、フレームってのはデータの別名なのですか?

インター博士

別名というか。例えば、レイヤ4の制御情報がくっついたデータをセグメントというのだ。
さらにそれにレイヤ3の制御情報がつくとパケットという。

ネット助手

さっきはデータユニットというのが出てきましたけど。
それはまた違うものなんですか?

インター博士

いや。同じだ。
そうだな、データユニットは通信に使うデータ、セグメント、パケット、フレームの総称だと思ってもらうのが一番近いかな。パケットと言った場合はレイヤ3での名前だ。

ネット助手

ふむふむ。

インター博士

それでだ。このようにデータに制御データをくっつけてデータグラムに仕上げることをカプセル化という。

ネット助手

カプセルですか。

インター博士

そうだ。データをこう封詰めしてく感じが、物をカプセルに入れる形と似ているからだろう。
そして受け取った側はカプセルをはがしていくわけだ。

[Figure06-03:カプセル化]

インター博士

一連の流れを図式化すると、上図のようになる。

ネット助手

なるほど。
確かにさっきの宅配便みたいですね。

インター博士

うむ。この流れを忘れないように
これから先色々なことをやっていくが、これの流れが根本にあるのだ。

ネット助手

了解ッス。

インター博士

OSIの話はここでお終いだ。
くれぐれも忘れないように

ネット助手

くどいですよ、博士。
大丈夫ですって。

インター博士

そういうのなら間違いなかろう。
ネット君の記憶力は鳥さえも舌を巻くスピードと定評があるからな。

ネット助手

てへへ。

インター博士

褒めてねぇ

ネット助手

はぅっ。

インター博士

次回は、LANの話をするぞ。

ネット助手

了解。
3分間ネットワーキングでした〜♪

データユニット
[data unit]
データと付加情報の集まり。
プチプチ
正式にはなんていうんでしょう?エアキャップ?
ホスト
[host]
自分で通信機能を持つデバイス、コンピュータやルータなどを指す。
IPアドレス
[IP address]
詳しくは後述。
ひやひやどきっちょな…
「マンガ初めて物語」でしたっけ?
NHK教育ではありません。
カプセル化
[encapsulation]
オブジェクト指向型プログラミング言語でも同じ言葉がでてきますが、それとは似てるようで違います。
ネット助手ネット君の今日のポイント
  • 通信の時、送るのは送りたいデータだけでなく、制御用データも必要。
  • データ、セグメント、パケット、フレーム、の順でカプセル化されて送信される。
  • 受け取った側は、逆の順で制御用データをはずしていく。

3 Minutes NetWorking No.6

管理人:aji-ssz(at)selene.is.dream.jp