■ OSI参照モデル・おさらい
よみがえるがいい、この電撃で〜!!
…。
…………、はっ!! 僕は今まで何を?
よし、ネット君。OSI参照モデル7層の名前と順番を言ってみろ。
えっ!?
えっと、あの、その・・・。
ふむ。確かに死んだら覚えられんな。
今回はネット君の言ったとおりだったな。
死んだら覚えられん、って。
死んだらってどういう事ですか、死んだらって!
言葉どおりだが?
それはともかくとして、OSI参照モデルは以下のような7層から成り立っている。
第7層 | アプリケーション層 | Application Layer |
第6層 | プレゼンテーション層 | Presentation Layer |
第5層 | セション層 | Session Layer |
第4層 | トランスポート層 | Transport Layer |
第3層 | ネットワーク層 | Network Layer |
第2層 | データリンク層 | Data-Link Layer |
第1層 | 物理層 | Physical Layer |
[Table04-02:OSI参照モデル7階層]
いや「ともかく」ってごまかさないで下さい。
そういえば、死んだお婆ちゃんが川向こうから手を振ってたような…。
それは脳内麻薬の分泌による幻覚だ。
そんなことよりも、OSI参照モデルの名前と順番を覚えなさい。
「そんなこと」って、人の生死を…。
ネット君の生き死になどそんなものだ。
しくしく。
で、覚えたかね?
え〜っと、上から順番に「ア、プ、セ、ト、ネ、デ、ブ」っと。
任せてください。日本型偏差値重視管理教育の底力ッス。
そんなもので威張るな。まあ覚えれるなら手段は問わん。
とにかく、わざわざ7つの階層だてにしたのは理由がある。
そうですね。もっと少ないと覚えやすいのに。
■ 階層分けした理由
各レイヤは、それぞれ機能が違い、独立している。
なので、特定の機能を理解するためにはそのレイヤだけ考えればいい。
?
例えば、前回の手紙の例で考えてみよう。
手紙通信というものを考えた場合、全部一体で考えると「手紙を便箋に書く」と「郵便局員が仕分けする」という全く違うことも同じレベルで考える必要がある。
無茶な話ですね。
なので、やるべきこと毎に分けて考える。「便箋」と「仕分け」の問題はそれぞれ別、と。
例えばベンダが便箋を作る際には、便箋が果たす機能の面だけ考えて作ればいい。
紙の質とか、色とかですね。
郵便局員の事は知ったことではない、と。
そうだ。郵便局員の事は、郵便局員のベンダ(郵政省)が考えればいい。
そうすれば、手紙通信全体のことも機能別にバラバラで考えればいいので、楽だろう?
でも、あまりバラバラに考えるとうまく行かないことってないですかね。
モデルに沿って考えるので、上下のレイヤとのつながりは無くならない。
理解しやすい他にも、機能に変更があっても、そのレイヤ以外に影響が及ばない。
ん〜、例えば?
例えば、便箋のサイズを新しい規定によりA4サイズしか使えないことになった。他のは絶対使ってはいけない。
だが、郵便局員にはそれは関係ない。
そりゃそうですね。
逆に、郵便局員の内規が変わっても、便箋や書く内容には影響を及ぼさないと。
そうだ。それが機能毎にレイヤに分けた理由だ。
よし、上から順番にレイヤを簡単に説明しよう。
■ 7つのレイヤの機能
レイヤ7、アプリケーション層からですね。
レイヤ7は最上位に位置し、ネットワークというサービスを提供する。
言ってみれば、ネットワークの入り口に位置する層で、ネットワークが可能かどうか判断する層だ。
次がレイヤ6、プレゼンテーション層です。
レイヤ6は、データの形式を決定する。
すごく大雑把に言えば、使う言語を決定するとでも思ってくれればいい。送信元と受信先が違う言語を使っていた場合、2人が共通してわかる言語を使う。
あぁ。僕がブルキナファソの人と話す際、僕はフランス語がわからない、向こうは日本語がわからない。なので英語を使う、って感じですね。
レイヤ5、セション層は?
何故ブルキナファソ?
ともかく、レイヤ5セション層は、セッションを管理する。
せっしょん?
よくバンドなんかで使うあのセッションですか?
そうだ。意味的には話し合いという意味だが、こっちが話して、向こうが話し返してくる。これを何度も繰り返して会話をするのだが、この会話のまとまりのことだな。
ん〜?
なんかよくわからないですね。
またまた手紙を例にとろう。
こちらが送った手紙が向こうに着く前に、君のペンフレンドが手紙を送り返してきた。
行き違いが起きてしまって、これでは会話として成立しないだろう?
えっ、何故僕のペンフレンドのキャシーの事を知ってるんです?
そういえばキャシーともそういう事ありましたけど、確かに話が繋がらないですね。
誰だよキャシーって。以前、覗き見たときは日本語の手紙だったぞ。
とにかく、そういう行き違いが起きないように、会話の流れを管理するのがセション層の役目だ。
いや、彼女はコネティカット出身の留学生ですよ。
日本語は勉強中だそうで、たどたどしい所がかわいーんですよ。
ふむ。いいから一度写真を送ってもらえ、ネット君。
とりあえず、上位3層の説明をしたが、この3層の事は細かく覚えなくてもいい。
覚えなくていいんですか?
ここから先、しばらくはな。それよりも下4層の方が重要だ。
まずレイヤ4、トランスポート層だが、信頼性の高い通信サービスを保証する層だ。
信頼性の高いって。
あぁ、エラーが少ないって奴でしたっけ?
そうだ。エラー以外にも、相手に確実に届ける、という事を保証したりもする。
レイヤ3、ネットワーク層は離れた場所に存在する相手との間でデータの伝送・運ぶルートの決定・宛先の決定などを行う。
なんか盛りだくさんですね。
そうだな。この層を知ることは、今のインターネットの仕組みを理解することに直結するかもしれん。
次のレイヤ2、データリンク層は、近くの機器とのデータの伝送制御を行う。
なんか、レイヤ3との違いがわかりづらいんですけど。
「離れた場所」と「近くの機器」ですか?
うむ。レイヤ2の方がより直接的な接続を制御するのだよ。
ケーブルで直に接続されている機器とのデータのやり取りの制御、と考えてもらえばいいかもしれん。
ははぁ。
レイヤ3は、見えない相手とのデータのやり取りってことですかね?
まあ、今のところはそれでいい。
最後のレイヤ1、物理層は電気・機械的なルールを決めた層だ。最後は電気信号のやり取りになるわけだからな。
は〜。一気に全部は覚えられないなぁ。
うむ、ネット君の脳は揮発性だからな。しかたあるまい。
それぞれのレイヤを細かく説明してくことによって、ちゃんと刻み込んでいくから心配するな。
はぁ、お願いします。
次回は、もうちょっとOSI参照モデルの説明をするぞ。
了解。
3分間ネットワーキングでした〜♪
- よみがえるがいい、…
- ゲームソフト「メタルマックス」で主人公パーティが全滅した時に、復活の際言われる言葉。たまに失敗するのがお茶目。
- ア、プ、セ、ト、ネ、デ、ブ
-
とある先生が言ってた語呂合わせ。
ある日、美容院から肉感的なご婦人が髪を上げたセットで出てきました。
ご婦人に向かって一言。
「アップセットね、デブ!」
- セション層
-
[Session Layer]
英語を見てもわかるとおり、「セッション層」とも呼ばれます。
- 揮発性
-
コンピュータでは主にメモリのタイプを表す言葉として使われる。
電源が絶たれると忘れてしまうメモリのことを「揮発性メモリ」という。
反対語は「不揮発性」。
- ネット君の今日のポイント
-
- 通信全体の問題を階層でわけることによって、簡単に、修正しやすくしている。
- 各レイヤの機能も覚えよう。