科学者と技術者の聖地、惑星オリヴン。その首都ベルメハンの上空に、〈リグニオン〉は浮遊していた。バントラムを所長とするこの研究施設は、オリヴン内外で有名だ。彼らが開発した人工知能、それに宇宙船も。
しかし、当のXEX――ゼクロスは、ここ数日、自分の知名度に触れられずにいた。そのシステムの負荷を極力減らすため、惑星ネットワークから切り離され、センサー系統も制限されている。
退屈さに不満を洩らす彼に、〈リグニオン〉所属のカート・アスラード博士は苦笑混じりに説明した。
「今チャンネルを開いたら、マスコミがうるさくて仕方がないぞ。それに、きみは病人なんだ。しばらくは大人しくしているんだ」
『つまらないです……』
ラボに直通の航宙ゲートに響いた合成音声はいつも通り美しいが、通常時に比べて弱かった。システム自体の稼働率を落としているせいもあるが、AS――アストラルシステムによる消耗が大きい。ASを使い、瀕死の人々を救ってから一週間、2度ほど事件に協力して出かけたことがあったものの、ゼクロスは〈リグニオン〉に、『入院』状態だった。オーナーのキイ・マスターも、オリヴンに縛りつけられている。
「その間に、色々調整も新装備も入るから。対有害電波シールドの強化、高度ホログラフィーシステム導入、新ドライヴ導入、中枢システムのプログラムチェックを含む各テスト……」
スケジュールが書かれた書類をめくり、白衣の青年はさも嬉しそうに並べ立てる。ゼクロスは黙っていた。その沈黙にウンザリしたような雰囲気を感じ取ったのは、オペレーターのエイシアだけではないはずだ。
「まあ、少しの辛抱よ」
ゼクロスのシステムに接続され、その状態を監視するチェックモニターの前で、彼女は苦笑混じりになだめる。
「昼にはキイも所長も帰ってくるでしょう。おみやげを持ってね。それに、眠っていれば退屈もヒマもないわ。いい子だから、大人しく休んでいて」
『私の休眠モードと人間の睡眠状態は、完全には同じではありませんけどね……お休みなさい』
「お休み」
エイシアはチェックモニターで、ゼクロスが素直に眠りについたのを確認した。そう深い眠りではない、うたた寝程度だが。
現在〈リグニオン〉で働いているスタッフは、そう多くはなかった。アスラードとエイシアを含め、十数人程度だ。バントラム所長は地上の知り合いの家に、キイは孤児院に行っている。
〈宇宙の使徒〉の司祭による襲撃事件で、孤児院も跡形なく消し飛んだ。身寄りのない子どもたちは、今は北の外れの古い2階建ての建物に住んでいる。家の持ち主はとうに市内に引っ越しており、その家主の好意で、仮の孤児院として使用させてもらっていた。
「キイ、来てくれたのね!」
孤児院のある岡の上から姿を見つけ、ここで手伝いをしているミライナが声をかけた。彼女は、1ヶ月、〈リグニオン〉のスタッフとしては休暇をとっている。
「ああ、元気そうで何よりだ。それに、ここはよいところだね。湖もあるし、林もある」
答えながら、一見画家志望の美少年という風体の、小柄な女性が駆け登って来る。ミライナと、皆に先生と呼ばれ親しまれているルイス・ホーメット、そして子どもたちが、笑顔でキイを迎えた。
「おかげさまでね。……ルイニーのことは残念だったけど」
ミライナは目の前に歩み寄ってきたキイに答え、後半は小声で付け加える。
襲撃事件の後、すべての犠牲者がゼクロスのASで救われたわけではない。攻撃で即死した者も、キイが肉体の時間の停止を解除して間もなく死亡した者も、少なくない。
「それで、そのこと、ゼクロスには?」
沈んだ声で、ミライナが問う。キイは首を振った。
予想していた反応だろうが、ミライナは安心したように息を吐き出す。
「そう。今ストレスを与えるようなことは極力避けるべきだものね」
「いずれバレるだろう。遠くないうちに。皆を乗せて宇宙を散歩するんだと言って楽しみにしているよ」
「早く元気になるといいけど」
キイは、周囲の子どもたちの視線に気づいた。つい先程まで賑やかに談笑していたのが、心配そうに聞き入っている。
「心配いらないよ。動けないから、つまらない、退屈だと駄々をこねている。退屈しのぎでもあればいいがね」
「退屈しのぎ? これはどう?」
安心させるように言うキイに、子どもたちの中から、年長組のロインが親指大の小さなカプセルのような物を差し出した。
カプセルの中はゼリー状の、半透明な液体に満たされている。その淡い青緑の中心に、小さな球体が浮いていた。
「これは……今回〈リグニオン〉が新開発した、バイオセルαじゃないか。所長が来たのか?」
「いいえ、送って来たの。学会で出会ったミューノ博士が双方のテストを兼ねて、そのなかにバーチャルゲームのデータを入れたんですって。まあ、所長も持って帰るでしょう」
現在データ入出力媒体として主流なのは、6センチ四方の半透明なチップ、プリザーチップだ。コンピュータ自体のデータ容量の増加のため、記憶容量の増加という点では、そう需要はない。しかし、データを持ち運べるという利点は大きい。音楽や映像の売買、アルバム代わり、人目に触れさせたくない記憶の隠蔽など。
それが最近、バイオセルα、それに、フラクサス映像技術省の委託でマラウ研究所が開発したホロトーチという、2つの新媒体が開発されていた。
「新プログラム配列PPLOWS7の開発といい、最近は科学の発達速度も凄いものだね」
セルをロインに返しながら、キイは感心の溜め息。
「それが、そのゲームにもPPLOWS7が使われているそうよ。ミューノ博士の所属するのはトラム研究所ですものね」
その研究所が、新しいプログラミング配列を開発したのだろう。バーチャルゲームもその成果のひとつか。しかし、あまり聞かないラボの名だと、キイは思っていた。
「ま……帰ってみればわかるか」
キイとバントラム所長は、ほぼ同時に〈リグニオン〉のワープゲートから出た。2人は顔を見合わせると、申し合わせたように、エイシアがチェックモニターの前に座っているその近くへと歩み寄る。
「お帰りなさい、所長、キイ」
「ああ――」
『……あ、お帰りなさい。いいですね、自由に出歩けて』
目覚めるなりの不機嫌な声に、戻って来た2人は苦笑した。
「まあ、そうイライラしなさんな。おみやげを持って来たぞ」
と言って所長が取り出したのは、キイが予想した通り、バイオセルαだ。それをどこか得意げに掲げ、所長は、ミライナがキイにしたのと同じ説明をした。ゼクロスは少なくとも、キイよりは最近の学界の動向も把握している。
『トラム研究所は惑星ファジッタですね。ミューノ博士たちのチームが2日前からベルメハンに滞在している……ですよね、所長?』
「ああ。博士は新開発のバーチャルゲームのモニターを探していてな。宇宙戦艦のゲームだから、是非、ゼクロスにもテストして欲しいそうだ」
バイオセルαのスロットを利用できる者はまだ多くないので、当然といえば当然の成り行きだ。ゼクロスにもスロットはないが、接続している〈リグニオン〉のシステムのスロットを利用できる。
ゼクロスは機嫌を直したらしかった。
『さあ、早く早く。キイ、ブリッジで観戦しませんか?』
「アシスト役かな。おもしろそうだね」
「よし、今セットしてやるからな」
嬉々としてせかすのに、キイも楽しげに機内に入る。バントラムがセルをスロットに入れると同時に、エイシアはラボの巨大モニターをゼクロスのメインモニターとリンクさせる。
ブリッジに入ったキイは、画面に表示された文字列を読み上げた。
「これは『遊撃戦艦バトルフェイザー』の体験版です。今回のあなたの任務は、宇宙戦艦フェイズ号を操り、海賊にさらわれた人質たちを助け、ランダ星シータのダイナン基地を壊滅させること」
地形が表示される。ランダ星に大きな湖が見えた。衛星にダイナン基地がある。
画面にテロップが表示された。
〈フェイズ号、スタンバイ。レディ〉
『発進!』
「ノリノリだねえ」
映像が切り替わる。見馴れたそれと寸分違わぬ宇宙空間へ。
戦艦フェイズ号はダイナン基地を目差し、敵戦艦の群の真っ只中に飛び出していった。
「レーザーは1回でエネルギーを10パーセント消費。大技は30パーセント。エネルギーは1秒に1パーセントずつ回復。魚雷は50発、トラクタービームは1秒に1パーセント消費」
〈敵艦、32機確認〉
敵の分布が視界の端に出る。フェイズ号はレーザーを避けながら、高度を上げる。その姿を追って機首を上げようとしている敵艦を攻撃。
〈敵艦撃沈、残り28〉
敵の回頭を計算しながら、レーザーと魚雷で撃沈していく。そのまま、灰色の人工衛星上にあるダイナン基地に急接近。
そこで、巨大な戦艦が行く手を塞ぐ。小型戦艦を搭載した空母のようだ。
それは見かけによらず素早い動きで、フェイズ号のレーザーの連射をよけた。
「ああ、エネルギーがもったいない」
『放っておいて。私は、戦艦搭載の戦術コンピュータでも、PPLOWS7で形成されたのでもありませんから』
トラクタービーム。空母を捕捉しながら、狙い撃つ。
その時、後ろから攻撃を受けた。
『わあぁっ!?』
〈下舷後方に被弾。マイナス5〉
「そんな大げさな……」
『違います、今、本当に攻撃を受けたような衝撃を感じました!』
観戦中の所長とエイシア、それにいつの間にか観戦に加わっていたアスラードが目を丸くするなか、再び攻撃されてはかなわないと、フェイズ号は空母を解放して回避行動。
「所長?」
エイシアはチェックモニターで、攻撃を受けた瞬間のゼクロスの反応を確認していた。振り返ったその表情には、かすかに不安が混じっている。
「うむ……これは、ゼクロスにやらせたのは失敗だったかもしれん。中止だ、中止!」
「1度始めたら中断するのは危険のようです。障害が残る可能性があります。現在の状態は想定外でした」
得体の知れないプログラミング配列のゲームなどやらせるんじゃなかった……と、バントラムは頭を抱えた。こうなる可能性に気づいているべきだった、これではゼクロスでPPLOWSのテストをしたようなものじゃないか。
中断できないものは仕方がない。それともキイとゼクロスはもともとするつもりはないのか、艦外の者たちより冷静だった。フェイズ号は空母に狙いをつけ、エネルギーを充填する。
〈充填完了。ターゲット、ロックオン。レディ〉
『アトミックトランサー、発射!』
光が空母にのび、空母の装甲を破って撃墜する。
〈エネルギー40パーセント。魚雷42発〉
「あれがダイナン基地か」
空母を迂回して向かった先、灰色のいびつな球体には、いくつかの施設があるらしかった。その中の1番大きなものが、大きな対空砲や戦車などの兵器を搭載したダイナン基地である。基地の前に一般人らしい姿が並ばされていた。その周囲を、敵らしい姿や戦車が囲んでいる。
ここまで接近してしまえば、上空の残りの戦艦も攻撃できない。しかし、基地から一斉に砲撃された。フェイズ号も人質から離れたところにある戦車から順に狙っていく。
敵の弾数のほうが多く、いくつかが着弾した。
〈計マイナス16。残り34〉
『ううっ、どうしてバリアが使えないんですか』
「バリアの強度は生命力に込みなんだろう」
ダイナン基地上空を、フェイズ号は焦ったように転げ回る。弾やレーザーをよけ続けるよう操作しながら、ゼクロスはもう1度、説明書を読み直していた。
そして、何を思ったか人質の真上めがけて魚雷を撃ち込む。
間髪入れずにトラクタービーム。魚雷は重力波に捕らわれ、基地の上空で爆発する。その爆発を煙幕代わりにしながら、人質のそばに急降下。
〈ワープビーム。人質回収完了〉
「あとは、ここを壊滅させるんだっけ?」
『壊滅……野蛮ですねー。まあ、仕方ありません』
ゲーム上の仕様がどうなっているかは不明だが、上昇しながら、できるだけ人のいない辺りを攻撃する。クモの子を散らすように逃げ惑う人間たちにはかまわず、基地内の兵器から破壊していく。
反撃をかわし、魚雷を連射。
〈任務完了。ゲームクリア〉
テロップが明滅した。
〈残りエネルギー0パーセント。魚雷0発。タイム3分00秒。生命力10。総合点476点〉
「平均500点だって。あまりいい点じゃないね」
『だから、私は戦闘用じゃありませんから』
ハラハラして見ていた観客たちをよそに、キイとゼクロスはのんびりとことばを交わす。
ゲームプログラムが終了すると、バントラムは慌ててセルをスロットから引き抜いた。そして、それを恨みがましい目でにらみつける。
「まったく、何てプログラムだ。こんなことになるとは」
『まったくです』
セルを眺めるバントラムとアスラードの2人の科学者に、ゼクロスは不機嫌に同意した。
『発売する時はきちんと説明書に、人工知能がプレイする場合にはフィードバックの感度を下げてください、と書いて欲しいです』
「……じゃあゼクロス、どうしてそうしなかったんだい?」
『だって、おもしろくないじゃないですか』
彼のことばに、事態を知っていたらしいキイはともかく、他の人間たちは1秒間ほど目を丸くし、その次の1秒以上はあきれた。
『遊びくらい好きにさせてくださいよー』
本調子でないせいか、もともとここしばらくのゼクロスは機嫌が悪い。いつもなら、これくらいで腹を立てたりはしないだろう。
すねたように黙り込むのに、バントラムは、ゲームを持ってきたのはゼクロスのためだというのを思い出した。機嫌を直すためにしたことでさらに機嫌を害しては、もともこもない。
「まあ、きみがいいならいいが……ただでさえ病人なんだから――」
『所長、動かないで』
突然のことに、バントラムは目を白黒させた。
ゼクロスは、自身のレーザーの砲門を動かす。その砲門の黒い口は、バントラムのほうへ。
「なっ、なっ、なっ――」
茫然とするエイシアとアスラードに注目されながら、所長は仰天する。逃げ出したいが、動くべきではないかもしれない。脅しやいたずらとしたら悪い冗談だ――だが、ゼクロスの声には、怒りは感じなかった。しかし、極限まで怒ると冷静になると言うではないか。
などと〈リグニオン〉所長が取り留めのないことを考えるうちに、光線が発射された。極細い光の筋は、バントラムの後方へ。
「所長、大丈夫ですか?」
アスラードが駆けつける。ああ、と答えて我に返り、視線をめぐらせて、バントラムは床に落ちている鈍い銀色の残骸に気づいた。
「サーチアイか」
サーチアイとは、ピンボール大のいわゆる探索眼のことだ。軍による敵軍視察や狭い空間の観察などによく利用されている。ゼクロスにも搭載されているが、宇宙空間で使用される機会は少ない。
『すみません、今まで気がつきませんでした。惑星ネットワークから切り離されているため発信先はわかりません』
サーチアイにもデータの記録はできるが、何も残されていないことは、ラボの装置で調べる前からわかりきっていた。誰が送り込んだのか、手がかりはまったくない。
しかし、問題は、今までその存在に誰1人として気づかなかったことだ。当然〈リグニオン〉内は、幾重もの高度なセキュリティシステムに監視されている。ゼクロスも、ラボの中は問題なくセンサーで感知できる。双方のシステムに問題がないことは、エイシアが常に確認していた。
『一体どうなっているのでしょう……まさか』
「どうしたんだね?」
『……いいえ。なんでもありません』
AS使いがからんでるのではないか。
キイたちは、そのことばを最後まで聞かなくとも、ゼクロスが言いたいことを理解していた。
「どうです? ニアトリンどの」
若い、背の高い男が、暗い部屋の奥に声をかけた。奥では、1人の青年がモニターに見入っている。肩にかかる黒い髪に整った顔立ちから、一見女性にも見える、美しい若者だった。
今、映像が終了したらしい。ニアトリンと呼ばれた男はモニターの電源を切り、椅子ごと、部屋に入ってきた男に向き直った。
「ご苦労だったな、ミューノ博士。なかなかいいデータだ」
「そうですか? 私はやっぱり、合格点とはいかないと思いますがね。まあ、デザイアズは無理だとしても、ランキム辺りが適役かと」
ミューノ博士が、ニアトリンと向かい合うソファーに腰を下ろす。その手には、薄いノート状の端末が抱えられていた。モニターには、びっしりと文字列が表示されている。
それは、数少ない、人工知能のリストだった。一般的には名を知られていないものまで、詳細に調査されている。
「シグナやデザイアズは高望み過ぎる。ルータはシグナ同様戦闘知識に欠けている。ファジッタのアーティは経験がなさ過ぎるし、HR基地のハンライルともども宇宙船とは形態が違う。あとはゼクロスか、ランキムか、ノルンブレードか……ウワサの時空要塞にも何か搭載されているらしいが、さすがに出会える確率が低過ぎる」
さすがに、彼らも最近エルソンに預けられたシャーレルのことは知らないらしかった。それに、フォートレットの制御コンピュータもすべて除外されている。
「ノルンブレード……さすがに宿敵のコンピュータを積むのは気が引ける」
「リプログラムすれば忠実になりますよ。レックスの屈辱の表情を見るのも一興でしょう」
「そうやり方は好きではないな。ランキムは、ギャラクシーポリスから離脱したとはいえ、まだ監視されている。GPとの全面戦争は準備が整うまで避けたい。消去法でも結論は変わらんよ」
言って、ニアトリンは再びモニターをつけた。画面上では、フェイズ号の戦艦との戦いが展開されている。それを、彼は1番最後の時点で止めた。最終点数のテロップが表示されている。
「難易度を最高にしているとはいえ、この点数ですよ?」
ミューノが思わず笑みを浮かべながら、馬鹿にした調子で言う。
しかし、ニアトリンは至って真剣だった。
「総合点はどうでもいいんだ。エネルギー、魚雷が、丁度クリアと同時にゼロになっている。それも含めて、彼にとってはゲームだったんじゃないか?」
「……武器数をジャストゼロ、時間をジャスト3分で終らせることが?」
「彼はきみの論文を読んでいたようだね。フィードバックを解除できたのにしなかったそうじゃないか」
「そんな。PPLOWS7の基礎程度しかわからないはずでしょう」
「基礎でもわかれば予想できるさ。それとも、論文を読んだ時点で独自に開発していたのかもしれん。きみの得るはずの名声を奪うようなことはしないだろうが。いい性格だ、でしゃばらず……まあ、好戦的でない部分などは修正が必要だろうが」
椅子にもたれかかり、くつろいだ様子のニアトリンとは逆に、ミューノは立場が危うくなるような、奇妙な不安を抱た。
かまわず、ニアトリンは満足げに続ける。
「それだけゲームを楽しんでくれたんだ。ジャストゼロを目差すのを楽しんでもおかしくないさ。それに、与えられた力を最大限に利用して目的を遂行するのを誇示することもな」