3 Minutes NetWorking
No.3

3MinutesNetWorking

第3回プロトコルと帯域幅

■ ネットワーク用語

インター博士

よく使う用語を先に説明しておいた方がいいだろう。

ネット助手

いきなり言われると混乱しちゃいますもんね。

インター博士

そうだな。ただでさえ混乱しやすい頭脳だからな。

ネット助手

しくしく。

インター博士

さて。例えば君がLANを構築する立場になったとして。パソコンやらプリンタやら、接続するケーブル、ネットワーク機器などなど買い揃えたと。
次にどうする?

ネット助手

繋ぎます。

インター博士

妥当な判断だ。
で、次は?

ネット助手

次はって・・・。
使いますけど?

インター博士

うむ。Macintoshならそれでオッケーだが。
残念ながら、修正誤差程度のシェアの会社の方式がそうだからといって、それを正解にするわけにはいかん。

ネット助手

はぁ。ではどうすれば?

インター博士

こう考えてみるといい。電話で会話するとして、電話機も、電話回線も用意できてNTTとも契約済みだ。
さて相手に繋がった。この状態ですぐ話すことができるのか?

ネット助手

話せませんか?

インター博士

では聞こう。
君は相手と何語で話すのだ?

ネット助手

何語って・・・。
日本語に決まってますよ。

インター博士

なるほど。君はブルキナファソの人とも日本語で話すんだな?

ネット助手

どこですか、ブルキナファソって。

インター博士

とにかくだ。君が日本語と即答したのは、相手が日本人で、日本語で話すという暗黙の了解があったからだよな。
暗示的にせよ、明示的にせよ、「日本語で話す」という約束事が必要となる。

ネット助手

確かに。

インター博士

つまり、通信を行う際にはこちらと相手の間にある種のルールを決定しておかなければならない。
でなければ、どのように通信していいかわからない。

ネット助手

単に繋げば即可能ってわけではないってことですね。

■ プロトコル

インター博士

そうだ。
このように、通信で使用するルールのことをプロトコルという。

ネット助手

プロトコルっていうと・・・。
あれですか? ユダヤ人が陰謀でどうこうって奴。

インター博士

それは「シオン賢者のプロトコル(議定書)」だな。
君もよく知ってるな、こんなこと。

ネット助手

えへへ。

インター博士

褒めてねぇ

ネット助手

あうっ。

インター博士

それでだ。
このプロトコルというのは何種類かあって、それぞれ時と場合と必要性などによって使うプロトコルが違う。一番有名なのはTCP/IPだ。

ネット助手

てぃーしーぴーあいぴー、ですか。聞き覚えがあるような。

インター博士

うむ、当然だ。インターネットで使用されているプロトコルでデファクトスタンダードになっている。
この先の講座でこれについては詳しくやっていくぞ。

ネット助手

楽しみにしてます。

インター博士

他には、IPX/SPXというものや、NetBEUIなどがある。

ネット助手

はぁ、いっぱいあるんですねぇ。

インター博士

そうだな。今はTCP/IPが主流だが、そのTCP/IPですら多くのプロトコルの集合体だからな。
それぞれの役割に応じて、いくつもプロトコルがある。

ネット助手

なんか大変そうだなぁ。

インター博士

ま、先でゆっくり説明してあげよう。今日のところはプロトコルという言葉を覚えておいてくれ。
そして、今日もう1つ覚えてほしい言葉が帯域幅だ。

■ 帯域幅

ネット助手

たいいきはば?

インター博士

ケーブルの性能・規格を説明するときに使う言葉で、本来の意味は使用できる周波数の幅という意味だ。
転じて最近ではデータ転送速度を指す。

ネット助手

ならデータ転送速度って言えばいいじゃないですか。

インター博士

なかなか鋭いツッコミだ。
周波数の幅という意味だったころ、幅が広い=使える周波数が多い=データの転送速度が速い、という意味で使われていたのだよ。

ネット助手

ふ〜ん。それが今でも残ってる、と。
ちなみにデータ転送速度ってのはどういう意味です?

インター博士

単位時間あたりに送ることが可能なデータ量だ。
通常は1秒間に何ビット送ることが可能か、という意味だ。

ネット助手

前にでてきたbpsって奴ですね。

インター博士

うむ。
帯域幅についてはこう考えるとわかりやすい。帯域幅とは、道路の幅だと。

ネット助手

道路の幅?

インター博士

そうだ。
帯域幅は、広い・狭いとか、使う・使わないという表現をする。道路を走る自動車がデータ量だと思ってくれたまえ。

[Figure03-01:帯域幅・たとえ]

インター博士

幅が広い道路は、一定時間あたりで多くの車が通る。
一定時間での交通量が多いということは、それだけ車を運ぶスピードが速い道路ということだ。

ネット助手

車を運ぶスピードが速いって、なんか変な表現ですね。

インター博士

例えば、1分間に5台しか通れない幅の道路と、10台通ることのできる幅の道路があったとする。50台の車を通らせたい場合、前者は10分。後者は5分。
よって、後者は前者より2倍のスピードである、といえるだろう?

ネット助手

なるほど。そういう見方をすればそうなりますね。

インター博士

ある量のデータを送る時間が短い=データを送るスピードが速い。
つまり幅が広い=データ転送速度が速い、という意味になる。

ネット助手

狭いは逆に、データ転送速度が遅いという意味になるわけですか。

インター博士

最近では、ブロードバンド、とナローバンドという表現もよくつかうな。

ネット助手

ブロードバンド化なんていう言葉はそういう意味でしたか。
帯域幅を使う・使わないっていうのは?

インター博士

例えば、大きいデータがあった場合。先ほどの例にあわせれば、2車線ぐらい必要な大きな車という形になるが。
その場合、本来ならもう1台通ることができるのに、通れなくなるよな。

ネット助手

2車線使う車というのも、なんか思いつきませんが。
確かにその時は1台分減りますね。

インター博士

想像力が貧困だな、君は本当に。
とにかく、そのデータは余計に幅を使っているわけだ。そういう意味で、使う・使わないという表現をする。

ネット助手

「このデータは大きいから、帯域幅を使う。」
ってな感じで使用する言葉なんですね。

インター博士

そうだな。
これから先、ちょくちょく出てくる言葉なので覚えておくように。

ネット助手

了解ッス。

インター博士

うむ。ではまた次回。

ネット助手

3分間ネットワーキングでした〜♪

ブルキナファソ
[BURKINA FASO]
西アフリカに位置する。人口は1160万人。公用言語はフランス語。
プロトコル
[protocol]
日本語では通信規約と訳されます。
シオン賢者の議定書
この世のすべての悪事はユダヤ人が陰謀しているという書。
世の中ってずいぶん簡単にできてるんだなぁ、こんなのを素直に信じれる人はとっても羨ましい。
もちろん偽書。
TCP/IP
実際は1つのプロトコルではなく複数のプロトコルの集まりである。
TCPとIPという主要な2つのプロトコルの名前から、この名前がつけられている。
デファクトスタンダード
[defacto standerd]
事実上の標準、という意味。
特に機関や組織が決定した標準規格ではないが、力の論理で標準として扱われているもののこと。
IPX/SPX
Novell社のNetwareというOSで使われていたプロトコル。
TCP/IPに押されて今はあまり使われなくなっている。
ブロードバンド
[broad-band]
ブロードは広い。バンドは幅
CATVやADSLのような高速回線を示す。
ナローバンド
[narrow-band]
ナローは狭い。
通常の電話回線やISDNのINSネット64のような低速回線を示す。
ネット助手ネット君の今日のポイント
  • どのように通信するか、を決めたルールを「プロトコル」という。
  • ケーブルがデータを運ぶスピードのことを「帯域幅」という。

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管理人:aji-ssz(at)selene.is.dream.jp