■セルティスト界の国々と神話■

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【セルティスト〈フォース〉の国々と主要都市】

セルティスト界〈フォース〉

〈ナーサラ大陸〉

 南方大陸。オカラシア大陸に比べ超魔法文明時代の遺跡が圧倒的に多く、必然的に魔法文明が発達している。前人未踏の地域も多く、主に人里離れたところでは、遺跡や洞穴を巣とする魔物も徘徊する。

+パンジーヒア王国>首都:セントメフィア。ナーサラ大陸最大の国。ここで手に入らぬ物はないという貿易都市セルフォンや、遺跡都市カーマルク、数々の伝説を残す遺跡や町村、ジェッカ神の本山を頂く首都セントメフィアなど、大陸の中心となる国である。 三大考古学者に名を連ねるデュメル博士がカーマルクに、セディン博士がダライルシティにいる。エスターレには大天神ルテの大聖堂があり、その奥には最後の源竜が眠りについているという噂もある。

+神聖フィアリニア王国>首都:トロイゼン。王家と議会、司祭長が治める、歴史の古い魔法大国。最も魔法技術が進んでおり、主要一二神のうち七神の本山があることから、神聖魔法との関わりが深い。南西にある石柱林には、邪な心では近づけないという。また、レイモーネスには名も無き神々の神殿が並ぶ。遺跡の多い南のマドレーア王国とは、非常に友好的な関係にある。

+マドレーア王国>首都:マドレーア。農業に適さない土地のため、食糧の大半を輸入に頼る古い王国。遺跡が多く、新たな魔法開発や歴史研究のための情報を売り、経済は潤っている。北の魔術師の塔には伝説の魔術師が住んでいるというまことしやかな噂があるが、真実を確かめようと塔内を捜すと、決して階段に辿り着けないという。

+パストナ王国>首都:パストナ。独自の価値観のもと発展した王国。騎士団が人々の尊敬を集め、名誉や騎士道精神が重要視される。だが、現在のパストナ騎士団の当主である第一王子は、悪い噂が絶えないらしい。騎士団は東の砦で、魔物の多い迷いの森を見張っている。

+ケルナーク王国>首都:アセナー。漁業中心の小さな王国。人々は明るく陽気で、冒険者よりも観光客に人気が高い。ただし、王国内部にはオーラル内海の海賊と通じている者がいる疑いもあり、近年は治安が悪化しつつあるようだ。

+タバサ>タバサのみの都市国家。外界との通路が洞窟だけで、独自の文化が育った。もともと排他的な国民性だが、ここ数年は洞窟の出口を塞ぎ、ほとんど外界との接触を絶っている。

+フェイヴァニカ王国>首都:フィアーエン。国土の大部分をスリピン湖に覆われた、美と芸術の国。首都フィアーエンと湖畔のアーモラティスタが〈芸術の都〉の名を巡って競い合っており、劇場や舞台が多い。主な産業は観光である。

+エアンセ公国>首都:ラメイク。かつては一帝国だった、中央四国のひとつ。農業が盛んで、輸出も多い。非常にのどかな国だが、一部には一大国だった頃の遺産である貴族も残る。また、どこかには忘れられた都市があるという話も……

+マラフ=シーネラ連邦>首都:レヤイク。中央四国のひとつ。長い混沌期を終え、主に旅人を相手にした商売や貿易で国の体制を立て直しつつある。

+エーリャ公国>首都:バックナント。中央四国のひとつ。オカラシア大陸のラフディウムとの交流が盛んで、ナーサラ大陸でも有数の科学力を持つ。北方大陸への留学を夢見て科学学院の扉を叩く者も多い。

+アリューゼ自治領>首都:カールスメア。中央四国のひとつだが、早くから自治権を勝ち取っていたため、他の三国とは分けられることも多い。カールスメアには三大考古学者の一人、クレビンスがいる。国土の南半分は非常に乾いた土地である。

+エルカコム>いくつもの部族があり、国の体裁は成していないが、他国との交渉は、各部族の首長が集まる首長会議で行われる。北西部はジャングル、南部は砂漠という過酷な環境。いくつもの部族があるが、なかでも生まれながらの暗殺者と呼ばれるドガー族は、冒険者にも恐れられている。

+未開地帯>その名の通りの、前人未踏の地域。この辺りに向かって生きて帰った者はいない。

〈オカラシア大陸〉

 五億年以上前に栄えていたという超科学文明時代の遺跡が多く出土しており、南方大陸に比べ科学が進んでいる。旅行には鉄道を使うのが一般的。魔物は存在せず魔法の使い手や冒険者を職業とする者も少ない。

+ラフィンドン公国>首都は北方大陸の玄関となるラフディウム。国としては外交的だが、かつて帝国の支配を受けたこともあるため、人々には外国のものに警戒心が強い面がある。

+エルディクラン公国>首都アンカサーズ。ラフィンドンと同様、帝国の武力支配を受けたことがある上、帝国と隣接しているため、防衛意識が高い。

+ラスゲイン帝国>首都ドリコイ。もっとも進んだ科学力を持つ大国。かつてはおおらかな国だったが、ここ数十年、武力による侵攻と休戦を繰り返している。現在、国内に入るのは大変難しい。

+ガベラート王国>首都パルピナ。歴史の古い国。十数年前まで南のガーナルと小競り合いを繰り返していたが、最近は帝国に危機感を募らせる。ピルポ運河の北に、遺跡を利用した反帝国レジスタンスの拠点が旗揚げされた。

+ガーナル王国>首都フェーバニックシティ。大天神ルテの総本山を首都に頂き、北方大陸の中では魔法を活用している国である。数年前から、〈貴公子〉の異名を持つ宰相の手腕が評判となっているらしい。

+ジェシュ共和国>首都リアノン。初の共和制をとる国で、歴史は浅く、試行錯誤の最中。ノースサイドとの交流も盛んだが、フリーズ・シーの海賊が貿易船を邪魔することもある。

+ディアント王国>首都サイオロン。国土の割りに人口が少なく、帝国などからも離れているため、のどかな国。農耕や民芸品、芸術に趣が深い。クイレ湖やトナ火山目当てに訪れる観光客も多い。

+コロナド自治領>首都アンバーマイン。都市国家の集合体で、実質共和制に近い。自由な気風が強く、各都市の個性も強いため、南方大陸からの冒険者が最も過ごしやすいと口をそろえる国である。




【セルティストの神々】

〈神話の主軸〉
 超科学文明時代の五億年ほど前には竜神大戦が、超魔法文明時代の約1200年前には消魔大戦があり、セルティスト界に当時栄えていた文明をほぼ壊滅させた。それ以外にも、〈不老の秘宝〉が現われるたびに戦いが起こり、多くの者が犠牲となり、新たな神や種族が生まれたという。
 セイリスとの消魔大戦の後、大天神ルテは世界を〈フォース〉、〈カオス〉、〈精霊界〉、〈魔界〉の四つに分け、魔族や邪神は魔界に封じられた。

〈神話用語〉
・蒼の月〈アオノツキ〉……再生と保護をもたらす波動を放つ月。天界そのものだとも言われる
・緋の月〈アカノツキ〉……破壊と変革をもたらす波動を放つ月。大戦の犠牲者の血で赤く染まっているとも言われる
・新しき神〈アタラシキカミ〉……消魔大戦以後に不老の秘宝の欠片を与えられた神
・生き神〈イキガミ〉……地上に降り人として暮らす神
・カオス……フォースの裏世界。人間も存在するが、妖魔や異形のものが多く住む
・源竜〈ゲンリュウ〉……竜神大戦以前に栄華を誇った、強大な魔力と高い知能を持つドラゴン
・古代神〈コダイシン〉……消魔大戦以前から存在する神
・邪神〈ジャシン〉……消魔大戦でセイリスに組した古代神
・精霊界〈セイレイカイ〉……精霊や妖精が住処としている世界
・超科学文明〈チョウカガクブンメイ〉……竜神大戦以前に栄えていた、高度な科学を有する文明
・超魔法文明〈チョウマホウブンメイ〉……消魔大戦以前に栄えていた、高度な魔法を有する文明
・天界〈デュモア〉……神々の住まう地。一説には蒼の月だとされている
・源竜魂〈ドラゴンブレスト〉……源竜の魔力の結晶とされる石。強大な魔力や、不思議な力を秘めている
・フォース……表層世界。多層世界セルティストの中で人間が最も多い世界である
・不老の秘宝〈フロウノヒホウ〉……源竜魂を材料とする、力を引き出す秘宝。その欠片ひとつで、不老の身体、そして高い魔力と身体能力を与える
・魔王〈マオウ〉……魔族の最上位に位置する者たち。火炎、水氷、風土、雷光の四体の魔王が存在するが、雷魔王以外は魔界に封じられた
・魔界〈マカイ〉……四つの世界のひとつ。多くの魔族が封じられている。その内部を知る者はいない
・魔族〈マゾク〉……不老の秘宝を与えられセイリスについて戦った者や、それに従う異形のもの。能力的には新しき神と変わりない
・ルーンドリア……世界が裂かれた時に裂け目から切り離された大地が、浮遊大陸になったもの

〈主要一二神〉
ルテ……知と命、天の女神。セルティストの神々を統べる大天神。知恵の杖を手にした長い赤毛の美しい女神として描かれる。
本山:ガーナル王国フェーバニックシティ
ジェッカ……自然と平静、医療の神。月桂樹の冠を頂いた、長い銀髪の美青年とされる。
本山:パンジーヒア王国セントメフィア
イリアス……大地と農耕、祭りの神。杵と杯を左右の手に持つ体格のいい大男として表現されることが多い。
本山:神聖フィアリニア王国トロイゼン
ニタリ……芸術と美、娯楽の女神。薄絹をまとった踊り子として描かれる。
本山:神聖フィアリニア王国トロイゼン
ミュレーア……愛と家庭、絆の女神。優しげな巫女の姿で描かれる。
本山:神聖フィアリニア王国トロイゼン
シュトライト……風と旅人、さまようものの神。旅装の美青年の姿で描かれる。
本山:神聖フィアリニア王国トロイゼン
ネウリア……水と海、船の女神。人魚の姿で描かれ、大きな船にはその像が船首に掲げられていることが多い。
本山:神聖フィアリニア王国トロイゼン
シーダ……戦と武器、勇気の女神。武装した長髪の女神として描かれることが多い。
本山:神聖フィアリニア王国トロイゼン
ノルーン……炎と創造の神。ニタリの夫と伝えられる。炎のような赤毛の男として描かれることが多い。
本山:神聖フィアリニア王国トロイゼン
アガネル……法と裁きをも司る雷神。裁きの錫杖と天秤を左右の手に掲げた精悍な青年として描かれる。
本山:パストナ王国パストナ
ミシュガルド……夜と終幕の神。黒衣の青年として表わされることが多いが、造形は一定していない。
本山:エルカコム・ランガナイラ
フォンデ……契約と商売、交渉の神。前掛けをかけた、陽気な男として表わされることが多い。
本山:ラフィンドン公国ラフディウム

〈その他の神々〉
○邪神
 不老の秘宝をすべての人間に与えるべきだと主張し消魔大戦の原因となったセイリス、破滅と混乱を司る女神アモーラなどがいるが、本山は確認されていない。また、神ではないが、魔王や高位魔族を崇める教団も存在する。

○四姉妹神
 ユリア、ヌーサ、アートゥレーサ、メヌエの四姉妹神。セイリスに恋したメヌエの悲恋と、姉のユリアが彼女を倒すために追跡する悲劇は有名。姉妹は季節を司ると言われているが、確証は無い。

○名も無き神々
 超科学文明時代以前からいた超古神や、消魔大戦でルテに従った新しき神も多いが、重要人物でありながら名前のみ知られる神も多い。ルテの側近だったというクアマやグランドノス、ティルト=カリスもそうだ。その他、重要な役目を果たしながら記録が抹消された神もいるとされている。

○〈カオス〉の神々
 消魔大戦後、セルティスト〈カオス〉に進んで去った神々がいた。知られているのは、ミスト、キルアス、ロルカだが、新しき神が中心となっているという神託を受けた者もいるという。だが、異界の神についての伝承はほとんど残っていない。

〈通貨について〉
カクラム金貨一枚:1カクラム=銀貨十枚:1000ターラン
※1カクラム=約1000円程度