「暗黙の了解」というのは決して万人共通のものではないのだな、と改めて思った日。
そういえば、仕事場の先輩がそういう人でした。 お祖父さんが「そういう」教育方針だったのか非常にアメリカ的な思考の持ち主で、合理主義というか相手の心の機微を読み取るのが上手くないというか。 角を立てないようにと遠まわしに言ってもなかなか通じず、ちょっと失礼かなと思えるくらいストレートに言って初めて解ってもらえる、という感性の方。 当然、相手が誰であれ「歯に衣着せない」物言いをします。 いや、根はいい人なんですけどね。 男性相手ならそれでもいいんですよ。現に男性スタッフの間では「気さくな人」ということで人気があります。 ただ、日本人の、とりわけ女性というのは「暗黙の了解」というか、ちょっとした仕草や沈黙の長短、視線の向け方の中に、それだけではない複雑な「意味」を持たせ、それを相手に汲み取ってもらう、もしくは汲み取ってあげるのを「礼儀」とするところがありまして。 ところがそれが上手くなかった先輩は、そんな些細な事のために他のパートタイマーのおばさま方と、「日本社会で育った女性なのにそれができない」という理由で上手くコミュニケーションをとることができず、「あの子は生意気だ」というレッテルを貼られ、非常に損をしていました。 今の仕事に移って最初の一年くらいは両者から「(性格が悪いから)あの人とは関わらないほうがいいよ」とか言われ続け(苦笑)て非常に困ったものですが。 原因はそこにあると判ってから「どうしておばさま方が貴女のことを気に入らないのか」ということを理論的に(「…なんで女性の先輩に対して、女性心理についてレクチャーせにゃならんのだ」と内心で溜息をつきながら) 先輩に時間(約一年半)をかけて説明していったところ、最近になってようやく軋轢は無くなってきたようで、両者から互いの悪口を聞かされるということは無くなりました。
で、何でこんな話をしたのかというと。 ネットの世界では互いの顔が見えない⇒誰しもが先輩と同じような状況⇒多少きつい言い回しであっても、意思表示はきちんとしておかないと真意は伝わり難いのだなぁ としみじみと思ったからなのでした。 とはいえ、角が立たないようにと思うと、どうしても婉曲な言い回しをせざるをえませんし。 婉曲にすると万人に真意が伝わるとは限りませんし。 むぅ、日本語って難しいです…。世界で最も難しい言語だという話を聞いたことがあるけど、ホントだね…。
今日の夕食は 筑前煮 でした。 |